タイでの就職活動

タイ就職日記 OLマガジン掲載記事

昨年、このブログがきっかけでご縁を頂き、研修出版社の「月刊OLマニュアル」という雑誌に寄稿させて頂く機会がありました。今回書かせて頂いた文章はブログには掲載していない内容なので、こちらにもアップすることにしました。

「OLマガジン」は、仕事と生き方について真剣に考えるワーキングガールに向けた月刊誌。購読誌のため書店で販売はしていないそうで、今回お声掛けいただくまでこんな雑誌があるのは知らなかったのですが、実際に読んでみると仕事はもちろん、普段の人間関係などにも役立つ情報が詰まった、読み物としてもとっても面白い雑誌です。

私は、2016年12月号の『海外ワーキングガール事情』という毎月世界中で働く女性を紹介しているコーナーで、タイでの生活や仕事について書かせていただきました。内容は、先方から頂いた企画書を元に書いているため、広く浅く全般的な内容となってますが、私なりにどういう風に書いたら読者の方に興味深く読んでいただけるか試行錯誤して頑張って書いたつもりです。試行錯誤の甲斐あってか、ほとんど修正が入らずほぼ原文のまま雑誌に掲載いただいています。

リンクを貼っておきますので、興味がある方は是非「OLマニュアル」実物をお手に取ってみてください。

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http://www.kens-p.co.jp/publics/index/190/&anchor_link=page190_2764#page190_2764

 

OLマガジン 海外ワーキングガール事情

●仕事内容

私は現在、バンコクにある日系企業メーカーで働いています。主な仕事内容は、日本人営業のサポート業務と、日本人向けのマーケティングです。今の会社で働き始めて2年半ほど経過しましたが、私の入社当初は60人程であった社員数も、今や倍以上となり、組織の成長を肌で感じながら仕事をしています。

海外で働くとなると、相当な語学力が必要と思われるかもしれませんが、実はバンコクではほぼ日本語のみで仕事ができてしまいます。実際に、バンコクには日本語以外の語学力不要(なくてもOK)という求人も多く存在します。というのも、タイには非常に多くの日系企業が進出しているため在タイ日本人も多く、日本人同士のやりとりであらゆるビジネスが進められているからです。私は大学時代は英文科だったこともあり、英語は話すことができましたが、現在の業務では約80%日本語を使用しています。残りの20%程は英語で現地スタッフとのやりとりです。タイ語はまだまだ勉強中で初級レベルです。うちの会社は社内の共通言語が英語のため、タイ語が話せなくても業務に支障はありません。

仕事内容は大きく分けて二つ。一般的な営業事務と、日本人向けの販促業務です。見積作成等の日本人営業のサポート、日本人のお客様からのお問い合わせ対応、日本人顧客へのメルマガを配信したり、タイの日本語雑誌やフリーペーパーなど各種広告媒体への掲載を考えたり、といったことをしています。私の会社では、日本人の対応は日本人が、タイ人の対応はローカルスタッフのタイ人が行っているため、私がタイ人のお客様とやりとりすることは基本的にありません。このように、タイのバンコクという海外で働くOLではありますが、仕事で関わるのはほぼ日本人のため、日本で働いている感覚とそれほど大差はありません。社員も駐在員や私のような現地採用社員を含め日本人が多いため、バンコクで2年以上働いているものの、海外で働いているという実感は実はあまりなかったりします。

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●タイに来たきっかけ

私は元々タイが好きだったという訳ではなく、日本以外で働き生活したいと思った時に見つけたのがタイでした。

私は大学生時代、就職活動に失敗しました。元々海外と関わる仕事がしたかったのですが、当時はいくら応募しても面接にさえ進めず、とても苦労しました。なんとか内定をもらえた会社は、全く興味がなかった金融業界の営業職。母親に勧められてたまたま受けた会社でした。他に選択肢がなく、悩んだ末にその会社で働くことを決意しましたが、営業というシビアな世界で苦戦を強いられました。厳しい先輩に、目標という名のノルマに毎月苦しめられ、何度も辞めたいと思ったのですが、仕事はある程度続けてみないと向き不向きもわからないだろうし、すぐにやめても良い転職先が見つかる自信もなかったため何とかその会社で働き続けました。しかし、2年経っても3年経っても、この会社でもっとこんな仕事がしたいとか、この先輩みたいになりたいとか、前向きなビジョンが一切生まれてこなかったのです。同期との会話も気づけば会社の愚痴ばかり。このままではダメだと思っていました。

そんな時、結婚を前提に付き合っていた、日本の大学へ留学中のフランス人の彼が大学卒業後の進路を考えるタイミングとなり、その頃に籍を入れて結婚しました。そして今後二人でどこで生活していくかを二人で色々考えました。彼も私も日本以外の国での生活に興味を持っており、彼は今後成長が見込める東南アジアの国々に興味を持っていました。そんな中で見つけた移住先がタイのバンコクだったのです。

それまでタイにはプーケットへ旅行に行ったことがあっただけ。日本から比較的近く住みやすい環境で、仕事も見つけやすそうだというネットで調べた情報しか知りませんでした。日本での会社員生活に嫌気がさして、このままではダメだと思っていた当時の私。20代後半で新しいことへチャレンジするなら年齢的にも今しかないと思い、気づけばバンコクへ乗り込んでいました。もちろん家族には反対されました。しかもなぜタイなの?といいう感じで不思議がられましたが、今後成長が見込まれる東南アジアの中心的存在であるバンコクで働いてみたいと、自分でもびっくりするくらい決意は割とあっさり決まっていました。

バンコクでタ現地採用

パッタイ約120円

●タイの習慣・特徴・郷土料理

タイは日本と同じ仏教国ですが、日本と比べると信仰深い人が非常に多いです。若者でも、週末はカップルでお寺に行ってお祈りするといった、お寺デートがごく一般的なものであるように、タイの人々の生活の中でその信仰深さをあらゆる場面で感じることができます。

タイの人々は「タンブン」= 徳を積む という観念を非常に大事にしています。タンブンとは、寺院や僧侶への寄付や、広い意味では人や動物を助けたりすることも含まれます。タイの仏教では輪廻転生の思想があり、人は皆生まれ変わると信じられています。徳を積むと生まれ変わる際により良い身分に生まれ変われると信じられています。また、タイでは成人男子の出家も一般的で、私の会社でも出家のため休暇を取得し、帰ってきたらお坊さんのような頭になっていたなんてこともあります。

タイ人は「マイペンライ」= 「大丈夫、なんとかなるというような意味」という言葉をよく使います。何か大変なことが起こっても、マイペンライ。細かいことはあまり気にせず楽天的です。日本人はどちらかというと、生真面目な民族で何か問題があったら思いつめたりするタイプの人も多いように思いますが、タイ人は良い意味でも悪い意味でもマイペンライの気質があり、日本人の私からするとなんでも適当だなと思ってしまうことも多いです。でもタイの人々はマイペンライの気質で今を楽しんで生きている人が多く、若者が老後のことを心配したりしている日本人とはとっても対照的。彼らのそういう楽観的な生き方を日本人ももう少し取り入れた方が幸せなんじゃないかなと感じたりもします。

タイ人は家に台所がないという人も多く、料理はせずに全て外食で済ませてしまうというのが一般的なため、屋台はタイ人の生活にはなくてはならない存在です。麺料理や焼き鳥、果物やお菓子、飲み物などあらゆるものが屋台で販売されています。タイ料理はハーブを多用しており辛いものが多いですが、日本人の口に合うメニューも多いです。私はフルーツが大好きなので、マンゴー、ライチ、パッションフルーツなど、日本ではあまり食べられないトロピカルフルーツを年中楽しむことができるのが嬉しいです。

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●日本との違い

私が勤めている日系企業では、日本語が堪能なタイ人従業員もいますし、日タイハーフでインターナショナルスクール出身のトリリンガルの従業員もいます。そんな中、タイ語ができない私にできることは、日本での職務経験と、日本人であることを最大限に生かした仕事をすることです。

取引先のお客様の8割は日系企業で、特にタイにいる日本人は非常に日本人慣れしています。日系企業間の取引はタイ人同士で進められるものはタイ人同士で、日本の本社とも関連しているような案件は日本人同士で進められることが多いため、正に日本基準の対応が求められます。そんな環境の中、営業として働いた日本での社会人経験がとても役に立っていると感じます。日本で働いていた時は、どうやったら売れるのかを日々考え試行錯誤する毎日でした。また、個人営業から法人営業まで複数の違う部門で仕事をした経験があったため、幅広いお客様対応力も気づけば身についていました。日本の会社の顧客対応力はタイと比べると格段に優れています。例えば納期に遅れが生じてしまったり何かトラブルがあった際にも、ここは日本ではなくタイだから仕方ないと、タイではみんな諦めてしいがち。私はトラブルが起こった時こそいろいろなことに気がつくチャンスだと考え、タイだから仕方ないと諦めてしまうのではなく、問題点をあぶり出してより良い組織になるよう改善案を考えたりする視点を持ち続けるよう日々心がけています。日本で働いていた時と同じ感覚と基準で仕事ができることが今の私の存在意義だと思っています。

タイ人は仕事において役割分担をきっちり分けたがります。日本では雑用的なことであっても、自分の業務に関係するようなことであれば積極的にやるというのが一般的ですが、タイではそういった考え方はありません。例えば誰かにこの書類が欲しいから準備して欲しいと頼んだ場合、それは私の担当ではないからAさんに頼んでくださいと言われたりします。たとえ自分がすぐにできる極めて簡単なことであったとしても、自分の担当の仕事でなければやりません。時には社内でたらい回しにあい、やたらと時間がかかってしまうことがあり、この部分は面倒だなと感じます。また、タイでは転職を繰り返してキャリアアップしていくというのが一般的なため、すぐにスタッフが辞めてしまい入れ替わりが激しいです。仕事でうまくいかなかったり、自分のやりたい仕事ができなかったりするといともあっさり辞めてしまいます。

日本では女性の社会進出が遅れていますが、タイの女性はよく働きます。私の勤めている会社の営業担当者は日本の本社では99%男性しかいないのですが、タイでは男女半々の割合です。そしてタイの方は出産をしてもすぐに復帰する人がほとんどです。両親に子供の面倒を見てもらうのが一般的なようです。逆にタイの男性は、日本のように仕事一筋というタイプは多くない印象で、むしろ女性の方がしっかりしている人が多いと感じます。結婚出産を経た後も、フルタイムで働く女性が多く私も心強く感じます。将来自分に子供ができたとしても、タイではお手伝いさんを比較的低コストで雇うことができるので、仕事を続けやすい環境だと思います。

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●日常の過ごし方

タイのバンコクは日本と比べるとまだまだ物価が安いため、生活コストは日本よりも安いです。今はコンドミニアムと呼ばれる、日本でいうマンションのような物件に住んでいます。バンコクのコンドミニアムでは24時間警備員在駐でプールとジム付きというのが一般的です。日本では狭いアパートに住んでいたので、今の方が日本に住んでいた時よりも恵まれた住環境です。平日は、早めに仕事が終わった日は帰宅してからコンドミニアムのジムで筋トレをして、夫と一緒に家で夕食を摂ることが多いです。料理をするのが面倒な時はローカルのお店でタイ料理を食べたりもします。一食40バーツ(120円ほど)から食べられるため、タイ料理を食べると自炊するよりも安上がりです。休日は、映画を観に行ったり、食べるのが好きなので、カフェやレストランへ行ったりして過ごすことが多いです。バンコクにはオーガニックカフェ・ヴィーガンカフェなど女心をくすぐるおしゃれカフェがたくさんあります。また、三連休などの連休があれば、ちょっと遠出してビーチリゾートへ出かけたりすることもあります。タイは常夏なので年中海へ行けるのも魅力の一つです。

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●苦労したこと、嬉しかったこと

バンコクに来たばかりの頃は、初めての海外生活で戸惑うことも多かったのですが、すぐに慣れて今ではバンコクでの生活を楽しんでいます。特別苦労したと感じることは思い返してみると実はありません。会社でタイ人とのコミュニケーションは英語を使うので、タイ語がなかなか上達しないのが今の悩みです。タイ語でもっとコミュニケーションが取れるようになればもっと生活が便利になり視野も広がると思うので、この点は今の課題です。

タイに来てから、タイでの生活や就職についてのブログを始めました。マイペースに更新してきたブログですが、2年経過した今となっては、「タイ転職をする際にとても参考になりました」というようなメッセージをいただけるようになり、とても嬉しく更新の励みになっています。また、ブログを通して情報を発信することの楽しさも知り、自分の新たな一面を発見することができました。今後はブログのコンテンツもより充実させていきたいと思っています。

ミレニアムヒルトン ラウンジからの景色

ミレニアムヒルトンホテル ラウンジからの景色

●海外で働こうと考えている女性へのメッセージ

日本で生まれ育つと、海外で働くことがなんだかすごくて特別なことだと感じてしまいがちですが、特にタイのような国ではそのハードルは全然高くありません。海外に出てみたいけれど、今は語学力に自信がないというような人や東南アジアに興味がある人には一つの選択肢になり得るでしょう。

一方で、タイでは日本人であるというだけで比較的簡単に仕事が見つかる環境ということもあり、ただ何となくタイで生活している日本人も多いです。考え方は人それぞれ、楽しく過ごして今がよければそれでいいという考え方も基本楽観主義な私は嫌いではありませんが、せっかく海外で働くのであれば、自分のキャリアプランをしっかり考えた上で、転職をするのがベターだと思います。具体的に考えるのが難しい場合は、近い将来自分がどういう働き方をしていたいか、自分の人生において働くとはどういう位置付けなのか等のイメージや理想は自分の軸として最低限持っておくべきだと思います。

特に数年後には日本に帰国するつもりだという人は、その地でやりたいことや、経験したいことをリストアップしておくと、有意義な時間が過ごせると思います。

海外で働くには、何か特別な目標や目的がないといけないという考え方が一般的かもしれませんが、私は海外に興味がある人は、何か特別な目標や目的がなくても挑戦してみればいいと思います。もちろん海外で働き生活するということは、日本のように国が社会保障で守ってくれるという部分がないので、すべて自己責任です。リスクの部分は十分理解しておく必要がありますが、実際に海外に飛び出してみると、意外になんとかなるものです。

海外で生活していると、日本人としての自分を客観視することができ、日本にいた時とは違った視点で物事を捉えることができるようになります。私はそれだけでも、海外に出てみる価値があると思います。世界には様々なライフスタイルを実践する人がいて、働き方も多種多様です。自分のアンテナを張って向上心を持ち続けていれば、海外で働き生活することによって、視野が広がり人生においての可能性も広がると思います。

自分の人生は一度きりです。そして自分の人生を楽しく幸せにできるのは他の何者でもなく自分自身だけ。海外で働いてみたいけれど迷っているという人は、是非自分自身がもっと幸せになるにはどう行動すればいかを考えてみてください。

自分の気持ちに正直に行動していけば、自ずと道は開けるはずです。

Mariko
http://marikochan.jp/bangkok-suit/

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